クルマ自分流
カスタム&ドレスアップカー オーナー訪問記
早稲田大学自動車部
創部73年!の伝統ある部活動
7月のある金曜日の夕刻。この日から全員で新潟に合宿に行くため、部室内はその準備で大賑わいだった。そんな慌ただしい中、体育会自動車部の活動について伺った。
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「早稲田大学自動車部は、1938年の創部です。部員は現在25名で、うち女子部員が1名います。新入生の勧誘には苦労しています。立て看板とポスターだけじゃ集まらないので声をかけますが、キャンパスで声をかけても冷たいんですよね(笑)、あっさり断られます」(高野君・以下同)。入部する学生は、運転したい人か整備などメカをいじりたい人の2種類に分かれる。
部室と各種機材の揃った立派なピットがあり、何と認証整備工場の資格も持つ。競技会に参加するマシンの整備はもちろん自分たちの手で行っている。パーツや機材が雑然と置かれた部室はいかにも大学のクラブ部室という気配が濃厚。卒業後にはきっと懐かしくなる風景でしょう。
「部活動は学生連盟主催の大会(ジムカーナやダートラなどの競技会)への参加や、部独自の活動。さらに大学の正課授業として年に2回、1回3泊4日でレッスンを受け持っています」。これは早稲田大学の在校生を対象とし、自動車の運転経験を積んでもらうことを目的に行われるもの。たとえばペーパードライバーの学生が、運転感覚を取り戻したいと申し込んでくるという。「参加は、年2回の授業で合計約70名ほどですね」。部員も早朝から深夜まで負担がかかるが、「でも自動車部が存在する大きな理由の一つにもなっている」大切な活動だ。部員のほぼ全員がレクチャー役に回るため、準備として1年生を教える合宿も行っており、取材当日からの合宿もそのためのもの。
おもしろかったのは自動車部の対抗戦として早慶戦があること。競技種目はパイロンジムカーナで、学年別の対抗戦形式。ただし、「野球などメジャーなスポーツと違って応援に誰も来ない」らしい…。しかし、さすが永遠のライバル校同士。両校に見合った部があればですが、何にでも早慶戦があるとは!
余談だが、卒業後は自動車や関連するメーカーへの就職が多いのとこと。「クルマが好きということもありますが、正課授業の先生役を経験したり、部活動への企業の協賛を得るためにパワーポイントを使ってプレゼンテ―ションを行ったりすることで、社会人生活に必要なスキルが身について行く」ことが大きいという。「体育会の部なので、団体生活を通じて規律が身についている、時間を守ると言ったこともあると思います」。要するに社会人としての基礎がバッチリ身に付いているということ。インタビューでの受け答えも好印象でした。
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合宿の準備をするみなさんは実にイキイキと楽しそう。部活動を謳歌して充実した大学生活を送ってください。
部員のカーライフ拝見
早大自動車部を代表して(?)早川君、田所君のお二人にプライベートカーについて聞いてみました。
- 入部のキッカケは?
- 田所…他大学の自動車部に入部した友人がおり、その話を聞いて興味を持ったことと、映画が好きで、映画の中のクルマのアクションシーンなどが好きだったこと。あとは新歓(新入生歓迎会)に参加し、意気投合した仲間ができたからです。
早川…兄がこの自動車部で主将だったんですが、自分が入学した時に新歓に来いと言われて参加。この時の新歓合宿はOBの所有する土地でジムカーナ大会でしたが、新人はスピンターンの練習をさせてもらい、これが面白くてハマってしまいました。 - 今のクルマは自分で買った?
- 田所…バイトで稼いで貯めて、不足分は親にも借金です。昨年11月に購入しました。親がホンダ車に乗っていることと、大学の競技車両はFFなので、同じ形式なら練習になると思いFFのアコードに。
早川…今のクルマを買ったのは昨年6月。これは2台目で、1台目も兄からもらったR33のスカイライン。FRのクルマが好きだし、このスカイラインのデザインが好きなんです。購入資金はもちろんバイトで。維持費もバイトで稼ぐので、バイトと授業と部活で遊ぶ暇がない…。自動車部は、彼女とほぼ無縁なんです(笑) - いじったところは?
- 田所…メカはほとんどノーマル。アンプやウーファー、ナビとリヤビューカメラを取り付けました。リヤビューカメラの配線は面倒で先輩の手を借りましたが、後は自分で。1カ月に1つは部品を付けてますね。
早川…買った時に付いていたものもあるけど、マフラー、バンパーを換えて、ブーストアップ。シートもブライドに交換。ツインのカーボンクラッチにしたけど、発進が大変ですね。 - 欲しいクルマは?
- 田所…三菱のGTOがいいですね。見た目も好き、1度乗ってみたい。
早川…もちろんR34のGT-R。スタイリングがGT-Rの中で一番だと思う。