UP GARAGE MAGAZINE34号(2014年3月発行)より転載
クルマ自分流 & ライダース自慢 特別編
オートサロンで見かけた方もいらっしゃると思うが、このチェイサーはアップガレージスタッフの佐藤が全精力を傾けてカスタマイズした自慢の愛車。いや、自画自賛ではなく本当に手間暇かけた仕上がりなのです。
社会人2年目なので、まだ1台目のクルマ。100系チェイサーを選んだのは「1JZエンジンやデザインが好きだし、価格が手ごろで選びやすいこと、そして何よりカスタム化するときにパーツが多くしかも安い」ことが決め手になった。仕事柄、目の前を多くのパーツが通過してゆくが、その中から気に入ったものだけを組み込んで作ったのだ。まさに「俺の愛車道」をまっしぐら!
入社と同時にH8年式を購入すると、そこからカスタム化開始。本人いわく「だいぶ給料を注ぎ込んだ」徹底ぶりで、改造費に「2年間で400万円以上かな」とはスゴイの一言です。クルマ全体がこだわりの塊なのですが、とりわけ考えたのがボンネットの塗装。懇意にしているショップのスタッフと相談しながら仕上げた力作なのだが、「某ネズミキャラクターを模様に仕込んであるけど、凝り過ぎてオートサロンじゃ誰も気付かなかった(笑)」。
まさにクルマ一筋まっしぐらに思えるが、実は、元々はホテルマン志望だったという。大学でもホテルコースで学んだのだが、クルマも好きなので第2志望でクルマ関連業界をあたるうちにアップガレージに内定。「ホテル業界は決まるのが遅くて、4年の春にならないと決定しないんです。でも当時は全体的に決まるのが早く、この会社で内定をもらったらホテルはもういいかって(笑)」。入社動機にもう一つ。自分のクルマをオートサロンに展示したいからというのがあったが、早くも夢がかなってしまった。
ライダース本店の店長を長らく務めたオーナーの大木。このバイクを作る際のコンセプトは、「ライダース店は、大きなバイクがメジャーじゃないイメージを変えたい」ため。確かにライダース店はどこも、いじりやすい小型バイク、たとえばモンキーなどのお客様が大勢いらっしゃることは確か。が、ライダース店はそれだけじゃないことを見える形で現したのがこのCBXなのだ。並列6気筒を世界で初めて量産化したスーパーバイク、確かにこれ以上はない素材ですね。
また「ライダース店にあったパーツだけでも、色々カスタマイズできることを実践したかった」こともある。ちなみに車体もライダース店で購入。で、どんなバイクにしようかと思ったのかが大事なのだが、「女性にもてたいから、カッコいいバイクを作りたかったけど、出来たら一人乗りになってた…」。
目標と結果がずれることは良くあることですが、そんなことよりすごいのは、このバイクはフレーム、エンジン、タンク、メーター以外はほとんど改造していること。パーツは社外品や他車からの流用も含めて、すべて自分で交換。とはいっても、リヤのスイングアームはCBR1100 XXからの流用だったりするので、それなりの加工も必要になるから話で聞くほど簡単ではなさそう。さらにカウルや足回りのパーツ交換で軽量化も図っているのだ。
興味深いのはグリップとミラーは前のバイクから持ち越していること。バイクを変えてもどこかに自分の歴史を残したいからで、次のバイクにも持ち越すつもりだとか。まあ、こんなことができるのも大のホンダ好きで、CBXが好きというぶれない基本があるから。次に欲しいバイクは「金田のバイク」という答えが返ってきたが、これって現実世界には欲しいバイクがないってことですね。