UP GARAGE MAGAZINE32号(2013年9月発行)より転載
鈴鹿では片岡選手が予選から、初戦でシードを確保した日比野選手、松川選手は単走からの出場となった。
鈴鹿は片岡選手の得意なコース。昨年は追走でスーパーGTのチームメイトである谷口選手と戦っているが、今年はNOSの不調でパワーが出ずスライドをコントロールできない状態になり苦戦した。振り出し位置を変えるなど試したものの効果なく、予選2本目にDOSSで98.65点を出したが、減点が6.5点あり23位で予選通過ならず終了した。また、日比野選手は練習走行でエンジンブロー、リタイヤを余儀なくされたので残る松川選手に期待がかかる。
松川選手は単走2本目に98.41点を出し9位で追走進出。追走1回戦は佐久間達也選手との対戦だったが、後追いの1本目からアドバンテージを取り、先行した2本目には佐久間選手が2コーナーで失速して勝ち上がり。 2回戦は斎藤大悟選手との対戦。1本目は後追いだったがパワーに差がありストレートで追い付けず、そのまま逃げ切られてしまい9:7.5と厳しい採点。2本目の先行では逆にストレートから突っ走り1コーナー付近では大差を付けたが、ライン取りなどの減点で7:6と採点され敗れた。
とはいえ松川選手はポイントを加算し年間ランキングは5位に、リタイヤの日比野選手はポイントゼロのため21位に後退した。
今季全6戦のうち早くも第4戦エビスまで終了したD1グランプリ。ようやくエンジンのかかってきた日比野選手は第3戦で準優勝、松川選手もベスト8進出が2回と上向きに。スープラのセッティングに苦労していた片岡選手もついに初ポイントを獲得した。
何かが起こると皆が期待するエビスで、やりました!ここまで今一つ調子の出なかった日比野選手が、見事に準優勝を飾ったのです。
今年のエビスは雨でスタート。予選開始前に激しく降り、路面は完全なウエットに。日比野選手のAグループの時は水煙が上がるほどで70点台の選手が続出する中、1本目は慎重に走り97.66点を出して暫定1位に。2本目は狙ったもののスピンして点にならなかったが、5位で予選を通過した。
同じく予選からの片岡選手は、前日に現地入りして走り込んだが、残念ながら予選敗退。「ドライもウエットも走り込んだけど、ミックスした路面は走ってなかった(笑)から、足を取られちゃった」(片岡選手)。走ったタイミングが中途半端に路面の乾き始めたころで、場数を踏んだベテラン勢が有利な状況だったんです。
前戦に続き期待された松川選手だが、前日の練習走行で左フロントサスを壊してしまい、その影響で波に乗れず追走進出枠16位に一歩足りない単走17位で終了。
日比野選手はDOSSに悩みながらも単走は96.53点の11位で通過。そして、次の追走で日比野選手の快進撃が始まった。1回戦の時田選手、2回戦の高橋邦明選手、準決勝は昨年の決勝戦で敗れた末永直登選手を撃破。末永選手との対戦は、1本目の後追いではベタベタにインに入りアドバンテージ獲得。2本目は後追いの末永選手がミスったか?3コーナー手前で日比野選手に突っ込むアクシデントで勝負あり。
決勝は川畑選手との対戦だったが、1本目はイーブンになり先行の2本目で勝負!ところが、いつもの日比野選手ならブッチギリで逃げるはずだが、この日は川畑選手を引き離せずアドバンテージを許し、結局、準優勝となった。
第4戦では片岡選手が会心の走りで今年初の予選突破。この勢いで単走もと期待がかかったが2本ともラインが流れてしまい19位で終わった。しかしマイナー追走では勝利を収めて1ポイントを獲得したのだ。日比野選手も前日とは打って変わり、単走は調子に乗れず17位で終了。
この日頑張ったのは松川選手。左フロントクラッシュの影響でマシンバランスに苦労しながらも、手堅く走り単走14位で通過。
追走では1回戦に今村選手と当たったがなんと今村選手の自爆で勝ち上がり。2本目に先行の松川選手を追う今村選手が、珍しくもストレートでバランスを崩してクラッシュ!リタイヤとなったのだ。
2回戦の末永直登選手とは、1本目はほぼ互角に戦ったが2本目の後追い時にインカットするミスで減点され敗退。今年2度目のベスト8進出だったが、次はもう一段高いステージでの勝負を期待してますよ!
ここまで4戦の結果で日比野選手は年間ランキング15位、松川選手は7位と二人ともシード権を確保。また片岡選手が1ポイントで31位にランキング入りしてきた。