D1グランプリ SPCIAL REPORT
日比野選手、エビスで今季2度目の単走優勝!
シリーズランキング決定
東日本大震災で開幕戦のお台場が延期され波乱の幕開けとなったD1グランプリも、10月22、23日の富士の第8戦で今季のレースは終了しました。
一喜一憂のあったシーズンでしたが、日比野選手は年間ランキング8位でシード確定、松川選手は昨年から大きく順位を上げて19位に。
またD1グランプリ初参戦だった片岡選手が、いきなりポイントを獲得したことも記憶に残ります。

(左)単走優勝した日比野選手の走り。前輪の切れ角からドリフト角度の大きさがわかる。(中上)得意のエビス第7戦で単走優勝した日比野哲也選手の「どーよ、1番だぜ!」。(右上)セントレアでの単走チャンピオン決定戦。決勝戦で100点を獲得するも2位となり「アレッ?!」。(中下)富士で予選結果発表。10位で通過してニッコリ松川和也選手。(右下)スーパーGT、スーパー耐久のドライバーでもある片岡龍也選手はエビスがラスト参戦だったが予選突破できず。「あとはMCやってます(笑)」。
D1グランプリの見方

D1グランプリとは?
D1グランプリはドリフト走行のカッコよさを競う競技。ドリフトとは、後輪または4輪を滑らせて走ること。曲がる方向とは逆にハンドルを切りバランス取りながらコーナーを抜ける、非日常的なクルマの動きをいかにコントロールするか、その腕前を競うのがD1グランプリだ。
単走
1台ずつ走行して得点を競う競技。予め発表された走行ラインを正確にトレースすること(コース図参照)に加え、「角度」、「スピード」、「エンジン音」などの要素が加味されて採点される。もちろん角度は大きい方が、スピードは高い方が良い。スピンやドリフトの戻りがあると減点となる。
追走
1対1で戦うトーナメント方式の競技。対戦する2台は先行と後追いのポジションで2回走る。先行は自分のベストの走りをし、後追いは先行に合わせたドリフトをしなければならない。後追いが先行と同等かそれ以上の角度を付けてインに入れば後追いの勝ち。引き離されたり、ドリフトの角度が先行よりも浅ければ減点される。
また先行の車両が、後追いの車両にスペースを与えないようにインベタのラインをとることなどは減点対象となる。
エビス:第6戦(8月6日)・第7戦(8月7日)

(左)今村陽一選手との追走で寄せ付けない早さを見せる日比野選手。(右上)松川選手の追走、たかやま選手相手にいい戦いはしたが…。(右下)片岡選手の単走。いい感じなんですが。
チームアップガレージ3選手が勢ぞろい
スピードとキレで単走優勝を飾った日比野選手

珍しい浴衣姿のドリフトエンジェルス。

ステージの上でもファンを引き付ける3選手。

第6戦では、追走途中にハチロク(日比野選手)のシフトが折れるトラブル。これじゃ勝てない。

表彰式で「4位だぜ、でも単走優勝したからまあいいか」。
2日間で2戦を戦うエビスのトピックスをご紹介。
まずはエビスが今シーズン最後の参戦となる片岡選手は、第6戦の予選でわずか0.05ポイント差で単走進出を逃してしまった。
惜しかったのは2本目。
スピードある飛び込みで、これは決めたかと思えたが途中でエンジンが吹けなくなり失速してしまい万事休す。
日比野選手は第6戦の追走で、1回戦は時田選手を2回戦では今村陽一選手を破りベスト8へ進出。
今村選手との追走ではスピードの高さで圧倒し、先行で逃げる速さに今村選手がミスを起こすなど、際立つ速さだった。
翌日の第7戦は前日よりスピードもキレも増しており、単走で審査員2名から100点が出る完璧な走りで優勝!
追走でも、またもやベスト8まで進むが、ここで斎藤選手と互角に戦うも敗退。残念!
松川選手は第6戦、7戦とも追走まで進出したが残念ながらベスト16には届かず。
だが、どちらのレースでも1本はアドバンテージを取っており、惜しい戦いでした。
総合順位は日比野選手が第6戦は12位、第7戦は4位。
松川選手が第6戦23位、第7戦17位。
「D1チャンピオンズ イン セントレア」(9月24日・25日)

(左)単走100点の走り。後方のタワーはセントレア空港の管制塔。(右上)追走トーナメント決勝戦で佐久間選手と。勝敗の差はほんのわずかなミスだった。(右下)地元愛知県だけあり日比野選手のサイン会は大盛況。
ランキング上位と優勝経験者の18名が特設コースで一発勝負のエキシビションレース

ドリフトエンジェルスのミニライブ。一緒に歌うファンも多いんです。

あたらに導入されたDOSS。速度とドリフトの角度、角度変化などの測定を行うシステム。審査員の採点と併用し審査の一貫性を向上させる目的。
初の試みとなる「D1チャンピオンズ」レース。
会場はドリフトコースを観客席が取り囲む“コロッセウムレイアウト”が特徴で、スタンドの目の前をD1マシンが走り迫力満点。
レース自体は基本的に単走と追走の2種類なので、通常とあまり変わりません。
日比野選手は金曜日の練習走行でリヤをヒットしてしまい、その修理のため満足に走れない状態で土曜日のレースに。
ここでは単走8位、追走はベスト8までと、練習走行代わり?のようなもの。
翌日曜日はスピードもキレもある走りが復活し快進撃。
単走では、途中100点を出しながらステージ1から勝ち進み決勝戦のステージ4へ。
相手は上野選手だが、お互い100点を出す勝負になり、最終判定は審査補助の測定機DOSSの判定で0.23ポイントの差で上野選手の優勝に。
追走トーナメント14でも好調は変わらず、田所選手、手塚選手、末永(正)選手を破り決勝戦に残り佐久間選手と対戦。
しかし残念なことにこの対戦でわずかなミスが出てしまい、追走も2位で終わる結果に。
富士:第8戦(10月22日・23日)

(左)年間ランキングの発表後に記念撮影。(右)シード最後の一人となる8位で呼ばれてガッツポーズ。
またもやエンジントラブルのハチロク 波乱のシリーズ最終戦を勝ち抜けるか

日比野選手と末永(直)選手の追走バトル。両者いい走りです。

松川選手は織戸選手と追走。重量級の2台は迫力満点です。

ランキング発表後にお約束ちさっきーの一気飲み。
今季の最終戦となる富士は雨で始まった。
路面が悪く各選手は手さぐりで練習ラップを重ねるなか、日比野選手が最後の周回でスローダウン。
何とエンジンブローで急遽、載せ換えることになってしまった。
松川選手は予選からの出場。
1本目は失敗だったが2本目は手堅い走りで10位で予選通過。
翌日曜日は晴れ。
松川選手の単走は1本目が良く、スピードがあったためミスもあったものの98.07点でBグループ15位で追走へ。
日比野選手も同様でライン取りなどで細かなミスが出て「日比野としては失敗」の評価。
それでも1,2本とも98.83点で追走へ進出。
追走1回戦の松川選手は織戸選手との対戦。
1本目はスピンして失敗したが、2本目の先行はスポッターの松岡さんも認めるキレある走りを見せ、アドバンテージを付ける審査員も出たが逆転はならず敗退に。
日比野選手はベスト16からの登場で最初の相手は末永(直)選手。
先行した1本目はイーブンとなり、後追いの2本目に日比野選手はドリフトが戻った瞬間があり惜しくも1戦で敗退となる。
富士での総合順位は日比野選手14位、松川選手22位。
年間ランキングでは日比野選手はシードギリギリの8位、松川選手は昨年の30位からジャンプアップの19位で今季を終わることになった。
皆さん、1年間の応援ありがとうございました。
【インタビュー】日比野選手・松川選手 D1グランプリ2011を振り返って
メカニックの皆さん 1年間お疲れさまでした
レースに事故やトラブルは付き物とはいえ、チームを支える仕事を本当にお疲れさまでした。
それにしても、どのような状況でも翌日には走れるようにしてしまう“腕”と応用するアイデアは凄いんです!

(左)エンジンを降ろし原因究明の永井さん、あめおさん。(中)日比野選手にトラブル時の様子をヒアリング。(右)作業は深夜に及ぶこともしばしば。

(左)セントレアでリアをヒット。(右)積載車でヘコミを引っ張り出すまっちゃん、ムロさん。