UP GARAGE MAGAZINE36号(2014年10月発行)より転載
アップガレージが4輪だけではないことは知っているよね。アップガレージには「ライダース」というバイク乗りには強い味方の専門店がある。そんな専門店に通うオーナー達も紹介しようというのがこのコーナーなのだ。
何でも1度買うとずっと持っているという杉山さん。このゼファーも1989年に登場した直後に購入し、以後、あちらこちらと手を加えながら26年間乗っているマシン。「クルマもそうなんです。で、次のを買うからたまって嫁さんに怒られる(笑)」。
1度はたくさんあったバイクを処分したが、「いつの間にか増えて、今はスクーターも含めると8台。スクーターはツーリングに使ってるけど、いかに速く、いかにカッコよくするか楽しいですよ」。バイクは他にもホンダのCBXがあり、昭和後半のボロボロのものを買って修理、復元したとのこと。外に置くと盗まれるため「洋間に置いたらディスプレイになってる」。
今回のゼファーは「買った次の日からいじり始めた。エンジンはいろいろ持っていたので、ピストンはGPZ、カムはFXといいとこどりをして」組み上げた。もちろんそのままでは合わないので加工し、クランクは芯出し、ポート研磨も行うなど丁寧な作業を行っているのだ。
「リヤブレーキのキャリパーサポートはアルミの無垢板から自分で削りだして作った」苦心の作。ホイールを変えて幅が違うから作るしかなかったのだとか。「時間はかかりましたけどね、考えながら作っている時間が何ともいえず楽しいんですよ」。
そんな杉山さんと水戸店のお付き合いは長い。「新規オープンした時からです。歴代の店長と今でもお付き合いがあるし。いじる時、純正パーツは使わないので、ここで見つけた中古パーツを加工して作るのが楽しいんです」と語る。すべての加工を自分でやるので、自宅倉庫には旋盤に溶接機、切断機などを完備。その辺の工場並みに揃っているというから、"杉山ファクトリー"と言ったほうが正確かも…。
杉山達也さん(茨城県東茨城郡)
仕事から帰ると1時、2時まで倉庫にこもっちゃう杉山さん。同席した奥さんもバイク好きだが、ご主人への評価は「器用だから、家電から何からすべて自分で治すから便利(笑)」。