UP GARAGE MAGAZINE36号(2014年10月発行)より転載
カスタム&ドレスアップカー オーナー訪問記
エアコンのついていないハチロクで彼女と登場したのは茨城大学4年生で自動車部の宮村さん。2014年の学ドリ東日本大会で準優勝した実績の持ち主なのです。
FRのハチロクはドリフトの定番ではありますが、競技に出るならパワーのあるクルマのほうが良いのでは?「最初のクルマはR32のスカイラインだったんですが峠でつぶして全損に。このAE86は2台目なんです」。ドリフト用に軽量化して、足回りをいじりロールケージを組みこんだが、エンジンはノーマルのまま。「ハチロクの魅力は軽いことと、パワーがないからドリフトしようと必死に頑張らなきゃいけないこと。パワーがあると簡単にドリフトできちゃうけど、ないからその必死さが面白いんです」とのこと。確かに腕は磨けそうです。
ドリフトを始めたのは周囲にやってる知人がいたから。「地元の友人や自動車部の先輩がやっていたので自分も出たいと思い始め、ドリフト天国を見て学ドリを知って」初めて参加したのが4年前。年に1回なので4回目の挑戦で決勝まで進んだわけです。
去年の学ドリでは朝一の練習走行でクラッシュ。「フロントがぐちゃぐちゃになって、ああオレの夏は終わりだ」とガックリしていたら、審査員をしていたD1GPドライバーの古口さんに「おい、直すぞ」とお手伝いいただき修理したことも。おかげで何とか予選に出場。「あの時は予選を通って1回戦まで行けました。古口さんには本当に感謝ですね」。
今年はベスト8まで行ければ十分だと思っていたが、雨で非力なマシンにもチャンスが生まれ、相手のミスもあって決勝戦まで行けたという。「その時は準優勝だって感激したけど、最後の学ドリなので、今思うと優勝しておきたかった」と、ちょっと悔しい思い出とともに来春卒業して、自動車メーカーに就職です。
宮村芽維さん(茨城県日立市)
クルマの費用を稼ぐためにバイトを掛け持ちしていたが、今は葬儀屋さんの電話番の仕事だけにした。一緒に来た彼女いわく「乗り心地はとにかく、エアコンがないのがきつい」。