UP GARAGE MAGAZINE26号(2011年11月発行)より転載
東日本大震災で開幕戦のお台場が延期され波乱の幕開けとなったD1グランプリも、10月22、23日の富士の第8戦で今季のレースは終了しました。
一喜一憂のあったシーズンでしたが、日比野選手は年間ランキング8位でシード確定、松川選手は昨年から大きく順位を上げて19位に。
またD1グランプリ初参戦だった片岡選手が、いきなりポイントを獲得したことも記憶に残ります。
D1グランプリはドリフト走行のカッコよさを競う競技。
ドリフトとは、後輪または4輪を滑らせて走ること。
曲がる方向とは逆にハンドルを切りバランス取りながらコーナーを抜ける、非日常的なクルマの動きをいかにコントロールするか、その腕前を競うのがD1グランプリだ。
1台ずつ走行して得点を競う競技。
予め発表された走行ラインを正確にトレースすること(コース図参照)に加え、「角度」、「スピード」、「エンジン音」などの要素が加味されて採点される。
もちろん角度は大きい方が、スピードは高い方が良い。スピンやドリフトの戻りがあると減点となる。
1対1で戦うトーナメント方式の競技。対戦する2台は先行と後追いのポジションで2回走る。
先行は自分のベストの走りをし、後追いは先行に合わせたドリフトをしなければならない。後追いが先行と同等かそれ以上の角度を付けてインに入れば後追いの勝ち。引き離されたり、ドリフトの角度が先行よりも浅ければ減点される。
また先行の車両が、後追いの車両にスペースを与えないようにインベタのラインをとることなどは減点対象となる。
2日間で2戦を戦うエビスのトピックスをご紹介。
まずはエビスが今シーズン最後の参戦となる片岡選手は、第6戦の予選でわずか0.05ポイント差で単走進出を逃してしまった。
惜しかったのは2本目。スピードある飛び込みで、これは決めたかと思えたが途中でエンジンが吹けなくなり失速してしまい万事休す。
日比野選手は第6戦の追走で、1回戦は時田選手を2回戦では今村陽一選手を破りベスト8へ進出。
今村選手との追走ではスピードの高さで圧倒し、先行で逃げる速さに今村選手がミスを起こすなど、際立つ速さだった。
翌日の第7戦は前日よりスピードもキレも増しており、単走で審査員2名から100点が出る完璧な走りで優勝!
追走でも、またもやベスト8まで進むが、ここで斎藤選手と互角に戦うも敗退。残念!
松川選手は第6戦、7戦とも追走まで進出したが残念ながらベスト16には届かず。
だが、どちらのレースでも1本はアドバンテージを取っており、惜しい戦いでした。
総合順位は日比野選手が第6戦は12位、第7戦は4位。
松川選手が第6戦23位、第7戦17位。
初の試みとなる「D1チャンピオンズ」レース。
会場はドリフトコースを観客席が取り囲む"コロッセウムレイアウト"が特徴で、スタンドの目の前をD1マシンが走り迫力満点。
レース自体は基本的に単走と追走の2種類なので、通常とあまり変わりません。
日比野選手は金曜日の練習走行でリヤをヒットしてしまい、その修理のため満足に走れない状態で土曜日のレースに。
ここでは単走8位、追走はベスト8までと、練習走行代わり?のようなもの。
翌日曜日はスピードもキレもある走りが復活し快進撃。
単走では、途中100点を出しながらステージ1から勝ち進み決勝戦のステージ4へ。
相手は上野選手だが、お互い100点を出す勝負になり、最終判定は審査補助の測定機DOSSの判定で0.23ポイントの差で上野選手の優勝に。
追走トーナメント14でも好調は変わらず、田所選手、手塚選手、末永(正)選手を破り決勝戦に残り佐久間選手と対戦。
しかし残念なことにこの対戦でわずかなミスが出てしまい、追走も2位で終わる結果に。
今季の最終戦となる富士は雨で始まった。
路面が悪く各選手は手さぐりで練習ラップを重ねるなか、日比野選手が最後の周回でスローダウン。
何とエンジンブローで急遽、載せ換えることになってしまった。
松川選手は予選からの出場。
1本目は失敗だったが2本目は手堅い走りで10位で予選通過。
翌日曜日は晴れ。
松川選手の単走は1本目が良く、スピードがあったためミスもあったものの98.07点でBグループ15位で追走へ。
日比野選手も同様でライン取りなどで細かなミスが出て「日比野としては失敗」の評価。
それでも1,2本とも98.83点で追走へ進出。
追走1回戦の松川選手は織戸選手との対戦。
¥1本目はスピンして失敗したが、2本目の先行はスポッターの松岡さんも認めるキレある走りを見せ、アドバンテージを付ける審査員も出たが逆転はならず敗退に。
日比野選手はベスト16からの登場で最初の相手は末永(直)選手。
先行した1本目はイーブンとなり、後追いの2本目に日比野選手はドリフトが戻った瞬間があり惜しくも1戦で敗退となる。
富士での総合順位は日比野選手14位、松川選手22位。
年間ランキングでは日比野選手はシードギリギリの8位、松川選手は昨年の30位からジャンプアップの19位で今季を終わることになった。
皆さん、1年間の応援ありがとうございました。
順位 | ドライバー | Rd.3 オートポリス |
Rd.4 鈴鹿 |
Rd.1 お台場 |
Rd.2 お台場 |
Rd.5 岡山 |
Rd.6 エビス |
Rd.7 エビス |
Rd.8 富士 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
4月23・24日 | 5月21・22日 | 6月4日 | 6月5日 | 6月25・26日 | 8月6日 | 8月7日 | 10月22・23日 | |||
1 | 今村陽一 | 2.5 | 28 | 35 | 30 | 28 | 22 | 30 | 35 | 210.5 |
2 | 斎藤太吾 | 15 | 35 | 28 | 16 | 30 | 26 | 35 | 22 | 207 |
3 | 高橋邦明 | 13 | 30 | 20 | 22 | 20 | 30 | 12 | 30 | 177 |
4 | 古口美範 | 14 | 20 | 26 | 18 | 2 | 35 | 28 | - | 143 |
5 | 川畑真人 | 12 | 13 | 18 | 35 | 4 | 28 | 15 | 15 | 140 |
6 | 野村 謙 | 10 | 26 | 14 | 15 | 26 | 18 | 13 | 18 | 140 |
7 | 熊久保信重 | 8 | - | 30 | 11 | 35 | 14 | 2 | 26 | 126 |
8 | 日比野哲也 | 2 | 24 | 22 | - | 22 | 13 | 26 | 11 | 120 |
19 | 松川和也 | 3.5 | 16 | 12 | 3 | - | 2 | 8 | 3 | 47.5 |
37 | 片岡龍也 | - | - | - | 1 | - | - | - | - | 1 |