カーライフを楽しむための情報満載のオリジナル無料マガジン。アップガレージ走行会やD1GPのニュース、またお得なキャンペーン情報も必見!ぜひ各店舗でご覧ください。

 

UP GARAGE MAGAZINE35号(2014年6月発行)より転載

Special Interview

Challenge to Formula D
D1界のベテランがアメリカ・フォーミュラDに挑戦

photo

5月のD1GP第2戦、鈴鹿を終わって現在ランキング1位と好調な高橋選手が、今年からアメリカでのフォーミュラDに参戦した。D1GPのベテランにして、なおチャレンジ精神に富む高橋選手の実像に迫ってみた。

高橋邦明選手

クニさんの愛称でおなじみ。D1創世記から参加の超ベテランにして4ドア乗りの名手。

ドリフト歴20年、D1最初期から参戦

ドリフトを始めたのは20歳の頃、もう20年以上になります。D1グランプリの前身、プロドリフト選手権だった頃から出ていました。レーシングスーツもなく、長袖長ズボンにヘルメット、グローブで走ってた時代。でも昔からやってるのに、残念ながらタイトルがないんだ。

これまでに優勝は一昨年(2012年)の鈴鹿で。お台場の一番最初の時、プレシーズンマッチでも僕は優勝しているんだけど誰も知らない(笑)。まだ観客席ができる前で、コースも今とは逆回りで船の科学館駅のほうから進入していた。確か2004年だったかな、でも公式戦じゃなかったからリザルトが残っていないだよね。

今年はいいポジションにいますね。このクルマがデビューした3年前もいい流れだった。一昨年優勝した時もいい流れでシリーズ2位に付けていたんだけど、それからうつつを抜かしているとグダグダになって落ちちゃう。だから今年は何が何でもと思ってる。

photo

アメリカのドリフトは煙と迫力の勝負。マシンはSC430。

フォーミュラDへの参戦のきっかけ

もともとフォーミュラDには以前から関心があって出たいと思っていました。で、去年あたりから海外に行くようになって、年末にMSCの香港に参加したんです。ちょうどそこにアメリカから関係者が来ていて、彼と話した時にフォーミュラDに出たいと言ったら、乗れるマシンがあるよって。ただレンタル料がとても予算的に合わないので一度はあきらめた。その後、マットからディスカウントするという話が来て、マシン(SC430)を調べたら勝ったことはないけど戦えるパッケージだとわかった。ただ日本での活動も四苦八苦なので、石田社長にお願いしたら二つ返事で協力が得られることになったんです。ただし、来年はないよって言われたけど(笑)。

photo

鈴鹿では3位決定戦をものにし総合3位に。

似てはいるけど全く別物フォーミュラD

日本と走らせ方が違うけど、いろいろな部分で感心させられてますよ。スピードガンで測るけど速ければ偉いわけじゃなく、コース幅いっぱいを使ってお客さんが見て「オー」って言わなきゃダメ。この間オッと思ったのは、2つの連続するコーナーを抜ける走り方。日本だとタイヤスモークが少なくなってもドリフトのアングルを緩めないで走ったほうがいい。でもアメリカだと違う、逆なんです。煙モクモクで走って何となくドリフトがつながったほうが偉いんだ。迫力重視なんです。

コーナーが続くコースでもアクセルを抜かないし。日本だったら2回くらいはアクセルを抜くと思えるコーナーでもそのまま踏みっ放し。そのためにクルマはフロントナックルから作りが違って、セルフステアを消してあるからクルマがずっと横に進むんですよ、気持ち悪い(笑)。クラッチを揉むってこともしないし。少しは蹴るだろうけど、基本繋いだら繋ぎっぱなし。

さすがにモータースポーツの本場だけあってレースの運営もうまいし、お客さんの楽しみ方も違っている。昼頃から来てバーベキューしながらビール飲んで、決勝の頃はベロベロ。でもひいきの選手の横断幕や応援プラカードを作って審査員にアピールしたり。本当に何から何まで勉強になりますね。

photo

高橋選手が代表のショップ「クニーズ」のピットにて。

フォーミュラD = Formula Driftは、日本のD1GPなどに影響され2004年にアメリカで発足した競技。個人戦のPro Championshipは全7戦。2011年に吉原大二郎選手が、2012年には斎藤大吾選手がチャンピオンになった。現在はアジアシリーズも開催。

 

高橋選手のショップKunnyz

クニーズはS13,14シルビアをはじめJZX100系、GRX130系などのドレスアップ、チューニングパーツなどを扱う。クルマに関するカウンセリングも受け付けているので気軽にお問い合わせを。

Challenge to Street Legal
アップガレージの看板を背負ってD1ストリートリーガルに挑戦

photo

全日本学生ドリフト王座決定戦(=学ドリ)の東日本大会で2011年、2012年と2年連続優勝を飾った田口和也君。アップガレージに入社後、なんとストリートリーガル(=SL)への参戦が決まった。

田口和也

北海道出身。2014年度アップガレージ新卒採用で入社し、GTパーツ館本店に配属。

普通に就活して悩んで入社を決めた

内定は早くにいただいたんですが、自分の中では迷いがありました。北海道から千葉の専門学校に行くために高い学費や下宿代を出してもらったのに、2級整備士の資格を必ずしも必要としない会社でよいのか、ということです。その後、会社見学や面談をして、そのうえで面白そうだな入社したいなという気持ちが強くなったんです。それを親に話したら、好きなことをしなさいと言ってもらえたので入社を決めました。

入社のときにはレースの話は一切出ませんでした。僕も純然たる就職先として考えていたし、サポートの期待はしてなかったんです。ただ、社会人になっても仕事とドリフトは両立させたいと思っていました。ところが入社を決めた後、社長に呼ばれて「うちの看板を背負って走ってみないか」と。最初は話が大きすぎてポカーンとしてました。全く予想外だったからです。その後、会社の先輩から「やりたいなら自分で社長に直接話しなさい」とアドバイスされて、改めてお願いにいきました。

photo

予想どおりの大変な生活だが苦にならない

つらいと思ったことはないです。夢に向かっての生活だし、かなり良い環境を作っていただいてますから。

悩んでいるのは仕事と両立させるための時間の使い方ですね。仕事が終わってから夢中になってマシンをメンテして、数時間寝て仕事って感じです。寝ないと次の日の仕事を全力でできなくなるのが怖いし、でもメンテをきちんとやらないと結果に響くしで、そこのところの時間の使い方に悩んでいます。

社外の方には勘違いされて、僕はSLしかやってないと思われているみたいなんですが、仕事が一番でレースは次だと考えています。そうじゃないと就職した意味がないですから。やはり入社した以上はきちんと仕事ができるようになりたいし、同期には負けたくないですからね。

photo

マシンとピット。この2階に住んでいるのでいつでもマシンをいじれる。

社長からのミッション「来期はD1GP昇格」

早く結果を出したいと思います。社長からは今年中にグランプリに上がれるようになること、と。そのために最低10ポイント獲得。それでD1のライセンスが申請できるので、それが僕のノルマです(笑)。

今まで3戦終わったところで、ゼロポイントです。残り3戦なので焦りはありますが、でも事前の準備をきちんとやって組み立てができれば成績は残せる自信はあるんです。これまでは先のことを考えすぎていました。SLは毎月レースがあるので、壊すと次のレースまでに直さなければならない。で、時間やお金の面でもぶつけることへの恐怖心が強くあって。だから「この辺まで」とか線を引いてたんです。やりきってダメだったんじゃないんです。そのことを監督や社長に相談したら、ぶつけてもいいから思いっきりやってみろ言われまして。守りに入っちゃいけない、自分の中に限界を作っちゃいけないと思いました。

学ドリの時に争った上位3人がSLに出ているんですが、お互いにこいつには絶対負けたくないと思ってやってます。SLになってもずっとライバルなんです(笑)。

photo

ピットに飾られている学生時代の活躍を物語るトロフィー。



ページの先頭に戻る