いよいよ開幕 D1GPを3倍楽しむ!基礎知識 前編

UP GARAGE MAGAZINE16号(2009年2月発行)より転載

コースによっては200キロにも迫るスピードでクルマをドリフトさせながらコーナーを抜けていく興奮。ドリフトのカッコよさとワザのキレを競うのがD1GPだが、そのD1GPをもっと面白く見るための基礎知識を大特集!

D1GPとはどんなレース?

審査員席とスタンド

ヘアピンから見た審査員席とスタンド。この前を180km前後でドリフト!

前田選手

追走でヘアピンに差し掛かる前田選手

D1GPとは一口で言ってしまえばドリフトのカッコよさ、うまさを競うレースということ。
そもそもはビデオOPTION用にドリフトシーンを撮ったことに始まり、みんなでドリフトを楽しんでいたが、「ドリフトをレースのようにプロフェッショナル化し、プロのドリフトドライバーを作ろうと土屋圭市が提唱したのがもとで、D1GPができたのです」(D1事務局)。
そして2000年に第1回のD1グランプリが開催された。

開催に至るまでにはドリキンこと土屋圭市さんに参加してもらい、いろいろなレギュレーションを決めるなど形を整える必要があったことはもちろんだ。ちなみに第1回のレースでも50~60台の参加があったという。
それ以降は回数を重ねるごとにレギュレーショなどがより整い現在の形へと発展し、それと同時に認知度が上がりファンも増えてきたという歴史を持つ。

実際にレースを見ると普通のレースとはまったく違った魅力があり、特に運転することが好きな(ちょっと運転に自信がある)タイプの人は特にはまりそう。
普通のレースとの違いを「スピードスケートに対するフィギアスケートの位置付けでしょうか。決勝の追走はよく相撲の迫力といいます」(同事務局)と説明されたが、確かにうなずけるものがある。

 

チャンピオンはこう決まる

チャンピオン

'08年の年間チャンピオンは斉藤大吾選手

チャンピオンの走り

毎回優勝者が変わった昨年のレースで、最終戦をすばらしい走りで優勝

レースは予選から始まり、2本のドリフト走行を審査。
今年の開幕戦エビスでは予選参加台数は37台。ここから予選を通過した20台が単走1回戦へ。
1回戦からは、その時点でポイントランキング(第1戦では前年度ランキング)10位までのシード選手が加わり、より白熱した戦いになっていく。
1回戦では30台から16台に絞られるが、この後は2台のクルマで追走形式のレースとなる。

追走とは1台が先行しドリフトで走るところを、後から追走するクルマが先行車にいかにピッタリ張り付いて走るかを競う競技。
先攻後攻を変えて2セット走り、勝ちが決まっていく。ここからはトーナメント形式となるわけだ。
これを繰り返して最後に優勝が決まり、順位に応じてポイントが与えられる。この獲得ポイントの合計トップが晴れて年間チャンピオンとなれるのだ。

ポイントのルールは‘08年から変更されており(別表参照)、追走の順位ごとに与えられる得点の差がより大きくなった。
たとえば1位と2位の得点差は、以前の2ポイントから4ポイントへと2倍の開きだから、それまで以上にチャンピオン争いがスリリングになったと言えるだろう。

 

ポイント表

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ベスト16からベスト8進出に対し2ポイント差、ベスト8からセミファイナル進出に対し3ポイント差をつけることで、トーナメントで上に行くほど高い得点が得られるというシステムになっている。